ALL関東教育フェスタ2014夏 でいただいたご質問にお答えしました。

オール関東教育フェスタ2014夏

 

分科会4「先駆的な授業『学び合い』」に呼ばれましたので、『学び合い』について、『学び合い』の授業について、ざくっと説明をさせていただき、附田さんから『学び合い』紹介のTV番組のVTRをお借りして、みんなで観ました。その後、参加された方々に、疑問や謎を書いていただきました。全文ご紹介し、それに対するコメントを添えさせていただきます。なお、コメントは私個人の見解ですので、その上でお読みいただければと思います。(通販利用者の「個人の感想です」のようで申し訳ないですが…汗)
 
・早く課題が終わってしまうグループはどうしているのか。
→「全員達成」が目標ですので、終わった人(わかった人)は、終わっていない人(わからない人)の学習を支援します。ただし、個々に強制はしません。集団に対して、「全員達成」を目指すことを求めます。
 
・無気力の中学生が本当に参加するのか?逆作用になり得ないのか
→中学生が対象ではないので、無気力の中学生に出会ったことはないですが、高校生で最初から無気力な生徒さんはいません。無気力にはそうなる理由がありますので、その理由の解決が必要だとは思います。この授業に逆作用になる要素があるとすれば、それは私が原因かもしれません。しかし、原因となる私よりは、周囲の生徒の皆さんとの関わりの方が大きな部分を占めますので、多分、逆作用になることは考えにくいとは思います。
 
・『学び合い』をやって必ずしも全員が話に参加できるでしょうか?話に入って行けない生徒がいたりしませんか?もし、そういうことがあればどうしますか?
・輪から外れてしまう人はいないのか。(どうしても団体学習より個人学習をしたい人など)
・グループに入れない子どもたちにはどのように促していくのか。
→そういう生徒さんはいます。話し合いを強いる授業ではなく、「全員達成」を目指す授業ですので、取り組み方はそれぞれで良いのだと考えます。ただ、一人で孤立していて、目標が達成できなければ、何とかしなくてはいけないですね。その場合、まずはその生徒さんをどうにかしようとするのではなく、集団に「全員が達成することに努めて下さい」と声をかけます。そして、周囲の生徒さんが、その生徒さんに関わっていく、あるいは、その生徒さんが周囲の生徒さんと関わるようになることを待ちます。そして集団に伝え続けます。
 
・真面目に取り組まない子が出たらどうしますか?
→一見すると上の状況と真逆に見えるかもしれませんが、基本的には同じアプローチです。「全員達成」が目標ですので、集団にそのことを伝えます。
 
・『学び合い』といっても最低限教授しなければならない内容もあると思うんですが、基本的に板書などはなさらないのでしょうか?
→授業は「最低限教授しなければならない内容=学習指導要領に定めた内容」の理解を目的としています。なので、授業において全員達成をするということは、全員が、最低限度教授しなければならない内容を理解したということになります。板書は特に必要ではないと思います。大事なことは教科書に書いてありますし、プリントに目的文として書かれています。わかるための詳細は、個々に違うこともありますので、それは個々で確認してもらえば良いと思います。
 
・学力の高い生徒(児童)が教える、低い生徒が教えられるという固定的な構造に陥らないためには、何が重要なのでしょうか。
→教員が固定的なものだと考えなければ大丈夫だと思います。わかるわからないはものによっても違います。よくある例ですが、以前は結構難しい考査問題を作っていました。で、クラスでたった一人しか正解できない問題だったのですが、その正解者は、合計点でクラス最下位の生徒さんでした。学力の高い生徒=合計点の高い生徒とすると、その問題は、学力の低い(合計点の低い)生徒じゃないと、他の生徒に教えられないことになります。つまり、お互い様ということだと思います。その感覚を大事にしてほしいと思っています。
 
・『学び合い』が成立する前提条件はないか。
・今、流したビデオのような生徒にするためにどのような取り組みが必要か?
→日々、『学び合い』の考え(学校観・授業観・生徒観)に基づいて教員が取り組むことだと思います。大事なことは前提条件は生徒さんにあるのではなく、私たち教員にあるということです。
 
・学習活動について、どのように進行して行くか、教えて下さい。
→生徒さんは多様なので、進行は多様だと思います。それを一人の教員が一方法で進めることに無理があると考えています。
 
・ハマればとてもうまくいくと思うのですが、そこに至るまでが難しいと思います。逆にうまくいかなかったことはありますか?
→失敗することが学びです。うまくいかないことを、クラスでどのように解決して行くのか。その問いかけが大事だと思っています。課題の要求が低ければ、全員達成はできます。しかし、課題の要求を挙げると、全員達成は難しくなります。だからこそ、集団の力が必要になるということです。
 
・答え合わせ、解き方が統一されないのではないかと思うのですが、その辺りはどうなのでしょうか?
→高校の必須学習事項は正解が必ずありますので、自ずから正解に集約されます。解き方や考え方は多様なところもありますので、むしろ、教員からの一通りではなく、多様な生徒との関わりの中で、多様な見方や考え方に触れることが、とても大事なことだと考えます。
 
・小学生は「全員達成」という雰囲気になりやすいと思いますが、中学校や高等学校では、「とりあえず達成(答えを写すなどで)という結果になれあいいや」とはならないのですか?
→とりあえずで答えを写すだけでは、「本当にわかった」ことにはなりません。他者に説明できることを求めています。雰囲気ではなく、本当にわかるを全員ができるようになることを、求め続けています。今までこのような取り組みをしていない生徒が圧倒的多数ですので、すぐに全員が「全員達成」を目指す集団にはなりませんが、一年間という与えられた時間でそれが実現できるように取り組み続けることが大事だと考えます。
 
・ノートはとらなくて大丈夫ですか?
→ノートの意義は個人差がありますので、個々の必要性に応じて取り組めば良いと考えています。私自身は授業中はメモで十分だと考えますが、そのままにしておくと、やはり他の教科・科目の学習もありますので、出来るだけ早くに復習することを薦めています。その際にノートを作ることは、ひとつの方法としてあると思います。
 
・批判は受けないんでしょうか。
→私の耳に直接は聞こえてきませんが、人は多様ですので、いろいろな考えや意見はあるはずです。それもまた大事なことだと思います。批判があれば、それに対しては真摯に説明するように心がけています。説明できない批判があれば、それは私が至らないということですので、改善に取り組みます。
 
・『学び合い』の授業に対する生徒の反応はどうですか?
・生徒・保護者の反応について、『学び合い』についてどのように評価しているか、教えて下さい。
→これも多様な生徒さんと保護者の方がいますので、多様な評価があると思います。上記と同様に考えます。生徒さんの反応については、授業を観に来ていただければわかると思います。いつでも公開しています。
 
・自習中に、というより授業中にここまで活発だと、他の座学の授業のクラスに影響は出ないのか?私だったら、座学放置で『学び合い』の授業に参加するが…。
→多様な生徒さんに関わることが学校の意味ですので、教員も授業もまた多様で良いと考えています。今のところ、他の座学の授業のクラスに影響が良いも悪いも出ているという話はありません。悪い方で指摘をうければ、そこで授業を一緒に創っている生徒さんと共に考えたいと思います。
 
・『学び合い』が今後、多くの学校で取り入れられたとしたら、これからの学校教育はどう変わって行くと思われますか。『学び合い』が当たり前になったら、その先の『学び合い』のあり方が気になります。
・今後の可能性について教えて下さい。
→どうなるのでしょうか。それは私には皆目わかりません。ただ、提唱者は人類の幸福を願っていますので、そこまで発展できればすばらしいと、心から思っていますが、私の中では、まずは目の前の授業を行う生徒さんたちの集団の可能性に期待し続けています。
 
 
・『学び合い』に向いている科目・単元、向いていない科目・単元はあるか。
・どの学年(例えば小1・小2)でもできるのか。
→何人もの『学び合い』の考えに基づいて授業実践されている方をみても、そして『学び合い』の考え方からみても、向いていない科目や単元、学年というものはないと思います。とはいえ、私は高校1年生の「生物基礎」でしかやっていないので…(汗)。
 
・全ての授業を『学び合い』で行っているのか。もしそうなら基礎知識の定着は問題ないのか。
→「生物基礎」の全ての授業を『学び合い』の考え方に基づいて実施しています。授業の基本は、基礎知識の定着ですので、問題がないというよりも、教科学習の位置づけでは、それを第一にやっています。
 
・『学び合い』の目的・最大の効果は何か。
→学校観にある「学校は、多様な人とおりあいをつけて自らの課題を達成する経験を通して、その有効性を実感し、より多くの人が自分の同僚であることを学ぶ」ことだと思います。
 
・『学び合い』を実施・継続することで、教師の負担は減るのでしょうか。
→負担の増減を考えてやっているわけではないので、それはわかりません。ただし、生徒さんへの成果を考えると、コストパーフォーマンンスは良いと思っています。
 
・どのように教師自身の考えを持つべきか。
→先に述べた『学び合い』の考え方である学校観・授業観・生徒観は不可欠だと思います。あとはそれぞれの先生方の多様さは、多様な生徒さんに大切なので、その部分は大事にしていくべきだと考えています。
 
・教師の意味って何ですか?
→これからは教える人(ティーチャー)という役割よりも、ファシリテーターやコーディネーターとしての役割が増すのだと考えています。
 
・生み出すことも大切ですが、インプットすることも大切だと思います。そのフォローはどのように行うのですか?
→学校教育全体がインプットに重きを置いている傾向がありますが、これからの時代も想定すると、アウトプットにもっと重点を置く必要が出て来ると考えていますので、この授業における対話は極めて重要だと考えています。あと、最近の首都大学東京大学院ゼミでは「知識から考える・創造する」のではなく「体験から考える・創造する」のだという質の転換が話題になっています。知識をインプットしないと生み出せないということではない、そういう時代を迎えようとしているということだと理解しています。
 
・他の先生方から、うるさいという苦情は来ませんか?(教育実習中に「授業中に生徒が動く音がすると、他のクラスの生徒がそわそわするから迷惑になる」と言われたので…)
→現任校も前任校もそれはなかったですが、もしそう言われたら、そのことを生徒さんに伝えて、授業の進め方を工夫してもらおうと思います。実際に、熱の入った授業では、うるさくはならないです。当然静かではないですが、心地よい質の声が教室にあふれてきます。
 
・任せるためには目標の提示の仕方が重要だと思うが、学生や生徒に伝えるコツ等はあるか?
→「各授業の目的を作る」という企画を立て、授業の目的文・目標課題を検討する研修などを行っています。神戸のK先生のセミナーで学んだことは、目標の提示こそが教材研究だということです。
 
・学習進度が遅れそうな気がするんですが。
  →授業「生物基礎」2014に年間計画を提示してあります。
   授業は各時間1項目ずつ進みますので、講義形式よりも、むしろ計画的に実施できます。
 
・生物の授業における『学び合い』とは? 数学では公式を教え合う 生物ではどのように?
・目標設定の具体例をお願いします。
・どのような課題を提示するのか?
→授業「生物基礎」2014・2013に毎授業のプリントの通りです。
 
・用いる教材について教えて下さい。
→授業のプリントと「生物基礎」教科書・「生物」図説だけです。
 
・評価はどのようにするのですか。もしくはしないのですか。
・高校でも成績をつけなければならないのですが、『学び合い』のあの授業で成績を出す訳にはいかないはずです。テストで赤点をとるとやはり「1」で、単位を与えられないというようにしているのですか?
→授業「生物基礎」2014のオリエンテーションで最初に伝えます。
 
・『学び合い』を始めたきかっけは?(同様の質問1)
→「最初に」に書いてあります。
 
・一番大変だったことは何ですか?
→「最初に」に書いてあります。
 
・最後に、Sさんとはどういうつながりがあるのですか?
→それは…内緒です(笑)
 
 
ひとまず以上だったと思いますが、並び替え作業などで、落としてしまったものがあるかもしれません。お読みになって「私の質問がない!」という方がいましたら、お手数でもBlogの「ALL関東教育フェスタ2014夏」のコメントにご記入下さい。追加質問も大歓迎です。